夏休みといえば怪獣だ

「えーと、それでぼくたちは怪獣を探しに行こうと思ってます」という素っ頓狂な宣言で始まる現代の冒険譚、「幻獣ムベンベを追え/高野秀行」は早稲田大学探検部が88年にコンゴ奥地の湖に住むという怪獣モケーレ・ムベンベを探しにいった実話で、これが無茶苦茶楽しい。現代とはいえインターネットもない80年代に、アフリカの国交もない国のジャングルへ怪獣を探しにいくムサくるしい男たち。ゴリラとかパンダを探しに行くんじゃない。恐竜でもない。怪獣ですから。僕も行きたかった。「私をコンゴに連れてって」


そして読後「コンゴ」と聞けば「ムベンベ!」と答えるぐらい刷り込まれた鴨汁は、映画「ベンダ・ビリリ!」の監督二人に会った時も「こんにちは二人。ムベンベって知ってる?」と聞いてみましたが「?」な反応でガッカリしました。ま、それもそのハズのコンゴ違い。この話に出てくるコンゴ民共和国は現在のコンゴ共和国で、首都はブラザヴィル。でもビリリの住むコンゴ民主共和国もベルギーから独立した当時はコンゴ共和国でした。その後、コンゴ民主共和国になって、ザイール共和国になって、97年から現在に至る。ややこし!


とにかくこの本はやたらおもしろいので、コンゴ違いでも、今スグ読むべーし!


鴨汁