卓越したドキュメンタリーであり、驚くべき音楽映画だ!

Cannes Film Festival 2010: Benda Bilili!, review
Benda Bilili! is a remarkable documentary and an amazing music film.
By David Gritten


カンヌ映画祭2010:「ベンダ・ビリリ!」論評 テレブラフ(2010年5月13日付け)


「ベンダ・ビリリ!」は卓越したドキュメンタリーであり、驚くべき音楽映画だ。


この楽しいフランスのドキュメンタリーはカンヌ映画祭の監督週間のオープニングを飾るのにふさわしい作品であることを証明した。これは8人のコンゴのミュージック・グループ、スタッフ・ベンダ・ビリリ(そのうち5人が下半身不随)のドキュメンタリーである。彼らの演奏活動(主に手作り楽器によるもの)はキンシャサのホームレス街の子供たちが段ボールの上で寝る最も荒れ果てた地域で始まった。

彼らは驚くべき光景だ。 3人は改良を加えた三輪車椅子で腕や上体の強さを使って動き回り、また別のメンバーは脚が不自由で使えないが腕を使った素晴らしいブレークダンスを見せる。彼らのプレイはスリリングでありブルージーで、彼らの厳しい経験に基づいている。
スタッフ・ベンダ・ビリリ(最後の2つの単語すなわちベンダ・ビリリは外見を超えて、という意味)のリーダー、パパ・リッキーは健常な甘い声の中年歌手父親のようにメンバーの面倒を見ている。

グループのスターであるロジェは12歳の時にリッキーに拾われた。ロジェは健常であり、ミルクの空き缶と湾曲した木部ときつく舞い付けた弦からなる自ら考案した弦一本の奇妙な楽器を使って強烈にソウルフルなソロを聴かせる。

この映画は商業目的ではない。監督のバレとデュラテュイエは2004年にこのグループと出会って、彼らを撮影し始めた。彼らはグループのアルバムを作るために資金を提供し、この5年間彼らの活動を記録した。この間に彼らの名声は広がり、ヨーロッパツアーに出られるまでになった。
とは言うものの、彼らの進捗は必ずしも容易ではなかった。映画スタッフは最悪のアクシデントも撮影している:ある時リッキーや家族や他のメンバーが寝起きしていた非難住宅が全焼しすべてが消失した。しかしリッキーは驚くほど冷静に事態をとらえ、周りの様々な困難を切り抜けて、何者にも恐れていないように見える。

映画の後半ではヨーロッパの5つ星ホテルでくつろぐ彼らを紹介している。またコンサートでは、彼らの人々を揺り動かさずに置かないサウンドと不屈のメンバー達の姿に熱狂するファンをとらえている。
彼らのステージ上でのプレゼンスは映画の画面に余すことなく表現されている:カンヌの観客は彼らに賞賛の大歓声と終わることのないスタンディングオベーションを送った。まさしく、これは傑出したドキュメンタリーであり音楽映画であった。

telegraph